介護職が利用者から受けるハラスメントの種類は、大きく分けると3つある。1つ目はセクシュアルハラスメントだ。行き過ぎた好意的態度や、悪意を持った性的な嫌がらせなどが該当する。特に女性介護職は男性の利用者から身体を押し付けられたり、性行為に誘われたりということもあるようだ。
2つ目は、身体的暴力がある。身体的暴力とは、力技で介護職員に危害を及ぼす行為のことである。暴力を振るわれたり服を引っ張られたり、物を投げつけられたりなどが当てはまる。
そして3つ目は精神的暴力である。精神的暴力とは、心無い言葉によって介護職の人格や尊厳を傷つける行為のことをいう。大声で怒鳴られたり、批判的な言動を過剰にしてきたりなどの嫌がらせ行為が当てはまる。
昨今、介護の現場では利用者から介護職に対するハラスメントが増加している。ハラスメント問題に巻き込まれないためには、我慢をしないことが大切だ。介護職は、利用者=お客様という意識があるため、何か嫌なことをされても我慢してしまいがちである。しかし我慢をしてしまうと相手をつけあがらせ、よりハラスメント行為が悪化してしまう。ハラスメント行為の悪化を防ぐためにも、いやがらせを受けたらその場で「やめてください」、「嫌です」と拒絶の言葉を発することが大切なのだ。
日本には、お客様は神様という考え方が根付いているが、それはサービスを提供している側の想いであり、決して利用者側が主張するものではない。曲解した思考に囚われ、自分を蔑ろにすることがないように気をつけたい。